人間の行動 behavioral psychology 2003 8 7
人間は、合理的な行動をするか。
「しない。」と答えざるを得ません。
人間のなかで、最も合理的な行動をするはずの投資家を見ればわかります。
ここに、ある会社があります。
この会社は、財務内容もよく、業績もよい。
PERやPBRという投資の指標も、株価が割安であることを示しています。
配当金も魅力的な額です。
しかし、投資家は、この会社の株を買わない。
こう言います。
「この会社は、知名度が低い。」
「同業種に、有名な会社があるので、
この業界が景気がいいなら、有名な会社の株を買う。」
これでは、何のために、PERやPBRという投資の指標があるのでしょうか。
しかし、ある時、著名なアナリストが、
この会社の将来性や業績のよさを発表しました。
すると、どうでしょうか。
今まで、不人気だった、この会社の株が急に人気株となりました。
人間は、必ずしも、合理的な行動をしないのです。
だから、PERやPBRという指標だけで、市場を分析すると、誤りとなります。
人間の行動心理を、市場を分析する際に、取り入れる必要があります。
市場分析に、心理学というものを取り入れる必要があります。
これは、PERやPBRという指標は不要であるという意味ではありません。
PERやPBRという指標と、市場心理と、両方、考えるべきであるということです。
今までの学者は、あまりに数学的な理論に、こだわり過ぎたのです。
経済学が、いわゆる「神学論争」になったのです。
だから、投資家に相手にされなくなったのです。
それどころか、一般市民にも、信用されなくなったのです。
株式市場においては、PERやPBRという指標のほかに、
市場心理という要素を無視できません。
市場心理を無視すると、投資に失敗します。
最近では、経済学に心理学を取り入れる手法が注目されてきました。
心理学というと抵抗があるならば、行動科学といいましょう。
経済学に、人間の行動科学を取り入れては、みませんか。
もちろん、これは、大変な作業になるかもしれません。
人間の行動を分析するには、複雑系の学問が、もっと発達する必要があります。
さて、数々の複雑な条件が重なる天気の予報をする場合は、
超高速のコンピューターが必要です。
スーパーコンピューターが必要ということです。
天気予報するには、特に長めの天気予報するには、膨大なデータと分析が必要です。
いろいろな条件を考えるので、複雑になるのです。
天気は、人間より、合理的な行動をしない。
天気は、気まぐれである。
しかし、いつまでも、そうは言ってられません。
天気は、経済活動に大きな影響がでるからです。
だからこそ、気まぐれな天気を分析するべく、
スーパーコンピューターを使って、多くの人が努力しているのです。
天気は、気まぐれで、複雑である。
しかし、天気の分析をあきらめるわけには、いかない。
今まで、この天気の気まぐれで、人類は多大な被害を受けてきたはずです。
冷害、旱魃、飢饉。
どうも、日本では、稲作が、10年ぶりに不作となるそうです。
しかし、日本は、食糧の備蓄がありますし、
経済大国なので、しかも、円という通貨が強いので、
外国から、食糧を調達できます。
さて、発展途上国は、どうなのでしょうか。
食糧の備蓄は少なく、
外国から食糧を調達したくても、通貨が弱いので、
それも、できない可能性があります。
いずれにせよ、スーパーコンピューターを所有している国は、
自分の国の天気予報だけでなく、地球規模の天気予報をすべきです。
それが、技術的に無理ならば、
せめて、近隣諸国の天気予報をすべきです。
これも、国際貢献のひとつです。